2007年11月
2007年11月07日
小沢代表は安倍前首相と同じ(反対されたから、やーめた)ではないか。と感じながら、しかし、老練な喧嘩政治屋は初めから、民主党の慌てふためき狼狽ぶりを予測しての切り札を出したと考えたりもする。
翌日早朝、辞任の意向を役員総会に預けるというかたちで、わざわざ名古屋にいた鳩山幹事長に手渡した。このパフォーマンスはかなり「時間」を気にしてのものだった。
小沢氏の腹は、自分をさておいて、自民党と対等に渉りあえるものならやってみろということだ。
民主党の悲劇は、政党の要を小沢氏側近といわれる議員で占めていることだ。これは、同調する議員の数をはるかに凌ぐパワーとなっている。
さらに、マスコミに常時、数の論理で解体の脅しを書きまくられている。いわゆる10人から20人のキャスチングボート新党、小沢氏離党の17人説だ。だから、新党の悪夢が民主党議員の全てに圧し掛かり、「党分裂」を恐れている。従って、民主党自体が解体を背負わされながらの政策展開に終始しなければならないという自己規制に陥ってしまっている。
その点を政治の要と常に睨んでいる政治知恵者小沢氏は、十分計算にいれて質の悪い辞任劇を打って出たと見ることが出来る。小沢氏はどうも政局、政党の混乱を生き甲斐にしている節が性癖化しているようだ。
7日8時配信の産経新聞によると、『鳩山由紀夫幹事長らに対し「大変ご苦労をかけた。感謝している。本当に恥をさらすようだけど、皆さんの意向を受けてぜひもう一度がんばりたい」と述べ、党執行部の要請を受諾し、代表を続投する考えを表明した。』と伝えられている。
つまり、意向を受けて要請を受託したのである。つまり「民主党、皆さんの為に連立構想を話し合ったのだ、ご理解願いたい」という訳だ。当初から鳩山幹事長は「大連立構想」を容認している。
結果、小沢氏は見事に役員会全員の慰留賛同を取り付けて何食わぬ顔で元の鞘に収まった。
「恥さらすが」代表に納まるというお献立は、民主党に皆さんがそれでよいというのだからの一語に尽きる。この次元で、今回の密室会談は、極めて個人的な政治戦略であり、その次に「党」の有様が出てきてそこで終わり、そして、国民とにわか支持者は関係のない話に終始なるのだ。
実は、この構図は民主党の体質的兆候の多くを反映している。
民主党幹部が小沢氏の続投に固執するのはなぜか
小沢氏が4日の記者会見で民主党を「政権担当能力がない」、「力量不足」、「次期総選挙での勝利は厳しい情勢」と自党批判を展開して辞任を表明した。このことに対する議員の反発は、想像を超える影響を今後とも残すものと見られる。
しかし、役員ならびに議員の総意で代表として小沢氏を迎えるその背景は、極めて単純なところにある。つまり、民主党議員はあまねく「力量不足」と「次期総選挙での勝利は厳しい情勢」をよく理解しているからだ。その理解の程度は、当選回数の多い議員ほどよく解っていて、小沢神話に賭けるしかないと観念しているのだ。それだけ自民党組織の層の厚さと力量を肌身で感じ取ってきている連中が民主党の執行部だから不思議ではない。本をただせばみんな同じ穴の狢、自民党出身者ではないか。
兎に角、小沢氏の辞任劇が生んだ最大の罪は、「選挙に負けても、みんなで渡れば怖くない」という代表に対するお墨付きを与えてしまったことだ。つまり、戦いは初めから負けているのだ。唯一、民主党ならびに小沢氏としても救われるのは、小沢氏の発言、『連立にこだわったわけじゃない。だが、このまま選挙を戦っても、簡単に勝てるという話ではない。むしろ参院選で訴えた政策を実現することで国民の評価をもらうことが、民主党政権を作る早道だと考えたんだ」(6日読売新聞)というものだろう。確かにこの戦略は、政治学者桝添議員がドイツにおける大連立での政権交代実現を指して評価しているが、日本ではことごとく頓挫している。
一方、与党は民主党の「雨降って地固まる」などの楽観説に同調して、今後さらに手ごわい相手になると警戒感を強めて見せる振りをして、「腹で呆れきっている」。反って、簡単につぶせるという自信をもったといえる。いつでも解散総選挙ができる見通しがついたとの見方で、会規延長してじっくり国民の支持を得ようと舵を切ったと考えられ、福田政権の性格からして丁度よい環境が整ったといえる。
「福田政権を利してどうするのか」と主張したとおりになった訳だ。しかし、これは喜べる状況ではない。半世紀培ってきたであろう民主主義なるものの落し子として信じてきた節のある2大政党制が遠退いたと見ることができるからだ。万年野党の汚名返上への試みはこれからも延々と続く。
にわか支持者、選挙民もいつまでも党内事情トラブルに付き合っている余裕などない。
そして、こんな体たらくな落とし前劇を見せられては、やはり自民党は政権政党だとつくづく納得させられる破目にまたなる。
民主党と小沢氏は、十分に恥をかいたのだから恐れるに値する何ものもないはずだ。
今夕の衆参議員懇談会での報告が済んだら、迅速に公の場(みんなの場)に出てきて、混乱を招いたことを謝罪することだ。それ以外に信頼と自信を取り戻す手立てはない。
2007年11月03日
今回の福田、小沢両代表の得意技とする密室、談合的会談は、にわか民主党支持者をがっかりさせただけでなく、憤慨、批判を生む結果を招き、人気の下降に油を注いだだけのパフォーマンスに終わってしまう可能性がある。
小沢代表の休憩を挟んでの「持ち帰り案」に腹を決めた真意は、背水の陣福田政権の持久戦になれば、民主党不利の兆候を感じ始めているきらいを、党幹部での再度の合意を持って責任分与を明確にしておきたかったとみることもできる。飽く迄も推測だが、小沢代表は、勝ち戦状況で戦利品をできるだけ分捕って、停戦状態に持っていく戦術を考えていたのかも知れない。
巷の話に過ぎないが、今回で密談は3回目だという話がある。そして、小沢代表は福田首相を「信頼できる方だ」と言い切っている。この背景だけをみても、何らかの方向性が決まってもおかしくない話であるというのは、下種の勘ぐりだと切って捨てるにはもやもやが残り過ぎないか。
密談、談合、示し合わせという類は、必ずといってトンデモナイものが浮上して現実化していく慣わしがある。今回の場合は、「大連立」と「恒久法」だ。
巷では、「大連立」に対して、「それはやめてよ」という声が圧倒したが、「恒久法」については、「この際、考えもいいのでは」という意見が幅を利かせてきた感じだ。国民の味方ぶる公明党は、「議論することはよいことだ」という表現をもちいて拍車をかけている。
何はともあれ、小沢氏は世間騒がせな政治家である。
兎に角いえることは、今回の密談で「恒久法」への道筋がついたということだ。
【政治ニュース】においても小沢民主党のこの必然的方向性を指摘してきた。また、前回の『どうする民主党(42)』においても、「新法の対案をだす必要がない」と釘をさしておいたはずだ。だが、巷で「民生支援が必要だ」と騒ぐと、直ぐに小沢代表は、国際治安支援部隊ISAF参加から「民生支援に限る」と手の平を反した。これは国民が言わせたのと同じだ。やぶ蛇もよいところだ。こんなはずではなかったと言っても後の祭りだ。