NHKスペシャル「在日米軍再編」特集について

今回の特集番組の企画、編集について、皆さんからの意見、また、舞台裏の話も紹介され興味深く読ませて頂きました。私も概ね同じような気持ちで放映を観ていました。そこで、番組の企画について、私の非常に気になったことを述べたいと思います。結論から言えば、全体としてよく出来た番組に仕上がっていたということです。
 
先ず、ゲストを知り、嫌な予感がしました。森本敏氏とマイケル・グリーン氏(アメリカ国防分析研究所 戦略部研究員)です。4月に私は政党の主催する勉強会、講師は森本氏であることから参加しました。その時の質疑応答の一つに「在日米軍再編」があった訳です。森本氏はご承知のように拓殖大学に席をおいていますが、国会が常勤と言われるぐらい政府防衛関係者で、防衛庁切っての論客です。

また、防衛問題、政府広報の第一人者と自負して、最近はテレビ出演も頻繁に見受けられます。勉強会の目的の一つは、「在日米軍再編」ならびにそれに伴う3兆円をどのように国民に理解して頂けるかというものです。私の質疑、国民への説明責任問題に対して、森本氏は、政府の一番の懸案事項で、政府スポークスマンとしてこの仕事を誰が引き受けるかということになり、森本氏自身と石破茂元防衛庁長官で全面的に行っていこうということになったと応答しました。

昨年の「正論」大賞受賞の喜びの言葉に、「これからは、テレビ出演は好きではないが積極的に対応していきたい」と述べていた。私は氏のこれらの言葉から、政府の能動的なマスコミを通じての説明責任、プロパガンダ、政府の刷り込み戦術がかなり露骨に出てくると冷や汗もので憶測していました。

森本氏並びに石破氏、今回は額賀氏の政府関係者は、国民に対して矢面に立って納得させる決意をしていることだと思います。要するに、憶測すれば、全面的にご批判を仰ぎ、鬱憤話をお聞きします。しかし、決まったことだから粛々と進めて行きますからご了承願います。沖縄の組長さんと同じように、皆さんと膝を交えて討論をしました。従って、私は、今回のNHKスペシャル番組も、筋書きが読める政府側戦術だと下種の勘繰りをどうしてもしてしまいます。沖縄の戦争体験者の方が、悲痛に訴え、叫べば、それだけ基地負担軽減を本土で担わなければ申し訳ないという、本土の方への感情導入に政府側が労せずして効果を上げているように思えてなりません。穿った見方をすれば、「在日米軍再編」問題そっちのけの沖縄基地問題になりかねない構図になっていないかという老婆心を心配します。
 
最後に、ゲストについてもう一つ事実を述べておきます。話題の斉藤貴男氏登場ですが、今年のマスコミ界の話題になっている、小林よしのり氏との因縁対決の面白さを狙っての起用とも思われる節があります。単純に右翼と左翼の激突構図を考えるだけでも格好の両候補者です。

既に、番組に先駆けて月間「現代」7月号で激突対談が掲載されています。この辺の諸事情をNHKエンタープライズ関係者が知らないはずがない。また、森本氏は、実はウルトラ自主防衛論者で、その意味において小林よしのり氏と同じ穴の狢です。従って、政府の一番の代弁者は小林よしのり氏ともいえます。ここに、隠された政府の陰謀があるように思われます。即ち、ウルトラ右翼的危険を排除すれば、日米同盟、さらに「在日米軍再編」が現段階では一番望ましい日本の選択肢であるという、何気無い圧力アピールになっているのではないかということです。少なくとも私にはそのような気がしてなりません。従って、政府側にもよくできた番組になっていたと結論的に感じたのは、私だけだったでしょうか。

以上、NHKスペシャル番組についての下種の勘繰りの感想でした。