【格物致知】 再び墓穴を掘る朝日新聞

朝日新聞の凋落ぶりに目を見張ること著しい昨今だが、本日8日の社説にこれまた驚いた。タイトルは、イランの核〈ウラン濃縮を中止せよ〉で、その趣旨と根拠は、国際原子力機関(IAEA)理事会が安保理への付託を決議した。その根拠になっているのは、「核弾頭に使える半球形の金属ウラン製造技術にもイランが手を伸ばしていた疑惑が明記された」、従って、「イランは真摯にこれを受け止めるべきだ。」というものである。

この論説は既にイラン核問題のインターネットで告知されている事実を全く考慮されていない、一部欧米からの受け売り記事でしかない。付託決議にいたる一連の経緯に対する詳細、綿密な見解は、IAEAのエルバラダイ事務局長の「遠心分離器を500台に減らし、濃度は3・5%までしか上げず、濃縮工程をIAEAが監視し続けるというイラン側の提案を評価する」という声明もあるように現場サイドではその要請を必要としていない。

また、核兵器製造技術ついては、イランは、パキスタンで秘密裏に核兵器開発を手がけた「カーン研究所」から、中古の遠心分離器を買った経緯上の問題で疑惑が明らかにされている。現在、我々が問題にしなければならないのは、イラク攻撃がそうであったように、アメリカが既にイランに対して客観的周辺攻撃を展開し始めていることの現実である。客観的現実を論じることなしに、国連中心主義の広報を鵜呑み記事かすることの危険性は歴史がすでに何度となく警告を発している。
しかし残念ながら、同じ論調を脱し得ない朝日の編集室、論陣の頭脳経路は戦前そのものと言って過言ではない。あるMLに40年間愛読した朝日新聞に決別をするその心情が投稿されているのを読みましたが、つくづく合点のいく内容であった。

最近、市民によるネット新聞の普及が論じられつつある。現実を知る手立て、方法はもはや市民の必要とする現実、真実は市民の情報でしか得られない状況になりつつある。最終的には、我々市民運動の敵は、対峙しなければならない国家権力以前にマスコミ権力となるだろう。常にマスコミは国家権力と懇ろ合いの関係にあり、国家権力が呼び寄せ、マスコミが擦り寄る構図は古今東西同じ仕組みである。マスコミは、日本の近代が背負うべき聖職的発想を全く持たず、人気急転落のホリエモン、しぶとい竹中平蔵大臣ともども「拝金主義」そのものでしかなかったことを体現している。
 
朝日新聞の紙面上の掛け声は、全くの虚仮威しに過ぎない。