イラク特措法について

イラク特措法は環境復旧しない

 ついにイラク復興支援特別措置法が参議院で強行採決されて成立してしまいました。湾岸戦争を口実にした「戦争ができる国」(PKO法)から「戦争をする国」へと、ついに「戦争と、武力による威嚇又は武力行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」という憲法第9条を踏み破り続けてことここに至りました。

 成立した特措法は、一連の国連決議に基づく「イラク特別事態」に対応する措置です。英米軍による今回のイラクへの先制攻撃などは英米がかってに解釈した特別事態であって、それに日本が加担することは憲法9条違反であるうえに、国連決議違反でもあります。
 そこいらへんを十分察知している与党側は、すでに、国連決議なり要請なりがなくとも、アメリカのみ(英米ですら無く)との関係で(日米安保)で軍隊を海外出動させようともくろんでいます。「自衛隊恒久法」です。
 
こういったことを狙う連中は、それなりに、第2次世界大戦での破滅へと帰結した歴史から学んでいるのです。惨めな敗因は、日英同盟破棄にあったと。2000万にのぼるアジアの人々を死に至らしめたあの戦争を侵略戦争でないと言い募るのですから、戦争責任など思いも至りません。性的奴隷におとしめた朝鮮・中国・インドネシア・オランダ・フィリピンなどの被害者に対してだけでなく、日本で空爆で被害にあった民間人に対してもなんの補償もしていません。戦争になれば国が国民をまもってくれるなどということは、金輪際ありません。戦争は憲法を停止して基本的人権を蹂躙したうえで初めておこなえるものです。
 
今度成立したイラク特措法は、総則第三条四の2で「実施される業務」として、その三に、「イラク特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧」を列挙していますから、当然にも、アメリカ軍が雨あられとばかりに打ち込んだ劣化ウラン弾による「自然環境の復旧」が目されなければなりません。しかし、湾岸戦争ですでにに大量にイラク国土に打ち込まれた劣化ウラン弾の被害を、「地下水汚染」までふくめて、「自然環境の復旧」などできるはずがないし、やる気もないでしょう。

そもそも、日本は、第2次世界大戦で中国に遺棄してきた60万発の(中国側は200万発という)ア、キ弾等の科学兵器を、中国と結んだ国際条約にもかかわらず未だに一発も解体・破棄していません。どこに遺棄してきたかも把握できていません。遺棄したのは日本軍なのですから、その気になればできないはずがないのにです。
 戦争は最大の環境破壊であり、最悪の責任放棄です。
 │ clip! (17:53)