「バカの壁」の大ヒット

バカの壁・新潮新書

断っておきます。新刊の紹介ではありません。
「バカの壁」の愛読者に対しての批判のつもりです。
確かに2ヶ月で61万部は驚異的な大ヒットである。
いくら儲けられる時に儲けないとの商売魂であっても、新聞一面に、「バカの壁」、「バカの壁」と繰り返し6回も書き連ねる広告を出すこともなかろうにと思われる。

養老孟司氏の原理主義解説は、私の理解は独断と偏見そのものだが、一服の清涼剤以上の新陳効果を享受できるものとなっている。これは飽くまでも個人的なことであって、こと社会的現象ということであれば話は別だと感じている。癒しであろうと、強心剤、興奮剤、何でもよいが、外的恣意行為に成らずとも、違った現象として原理主義が働いていると解釈した方がよいだろう。「バカの壁」での正義に落ち込んで、日々切磋琢磨している「私」と「社会」の乖離が益々深刻化するところにとんでもない「バカの壁」をつくる運動の担い手になっていくという現実をいつ私自身がその理解を超えられるかが問われている。

常識の範疇が国境なしになってきている今日の日本において、誰が、国民の9割が「有事関連3法案」を支持したと信じるのか。この盲点は「バカの壁」同士の高さからくるものか、はたまた妄信のいたりで狂わせるのか、さらに「壁」の隙間にあるのかは想像の域をでないが、何れにせよ、私達は出版社のように「バカの壁」の驚異的大ヒットを手放しで喜んでいられないことだけは現実である。