2008年07月03日
日本の温暖化対策
「低炭素社会・日本」の危険がいっぱい
7日から北海道洞爺湖サミットが開催される。
9日福田首相はそれに先立ち「日本記者クラブ」において、日本からの地球温暖化対策の主要テーマのアピールを行っています。『低炭素社会・日本』をめざして」というもので、通称「福田ビジョン」といわれるものだ。
日本の温暖化対策、戦略を世界、、国内向けにアピールしている訳だが、成る程と感心しながら読み進められる内容になっている。しかし、少し振り返れば、そこには行くも地獄の展開が予想されるものが高々と主張、提案されているのが見て取れる。ビジョンには二つの懸案事項が市民権を我がものに主張している。
それは(排出量取引)と(既存先進技術の普及:再生可能エネルギー)の推進だ。
京都議定書から特に日本が実行できないで消滅率を倍増させている原因がこの排出量取引である。温暖化対策の基本理念から推し計り、排出量ビジネスに手をつけてはならないことは自明の鉄則である。その場凌ぎの拙速な排出量取引は新自由主義の終焉を地でいくようなものだ。
日本は銭金で済ませる外交政策でその後大きなしっぺ返しを強いられた記憶はついつい最近のことではないか。
次は聞こえがよい(既存先進技術の普及:再生可能エネルギー)、「次世代原子力発電技術などの技術開発ロードマップを世界で共有」するという温暖化対策戦略だ、これは既に米国と共同の米国内における原子力発電所計画が契約済みになっていることの現実論をお披露目するかたちでPRされる。米国は、度重なる原子力事故で新設工事を凍結してきて原子力発電技術が著しく遅れをとった。そこで米国は、日本の実践技術納入というかたちで、日本の原子力輸出解禁に許可を与えた。但し、世界への輸出は、米国との二人三脚でなければ輸出できない縛りを課している。
既に中国への原子力発電所建設の受注が本決まりになるという。米国の中国友好政策は温暖化対策戦略に名を借りた原子力産業の中国進出にある。
いくも地獄とは、この原子力政策一つとっても歴然とした、日本は政治、経済、文化(既に完全汚染されている)は米国なしでは立ち行かない状況が完結したことになる。
福田内閣総理大臣スピーチ
「低炭素社会・日本」をめざして(日本記者クラブにて)
気候ネットワーク:福田ビジョンへのコメント(2008/06/09)
特集:北海道洞爺湖サミット 7日開幕(その1)
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【転送・転載歓迎】
洞爺湖サミットに向け発表された「福田ビジョン」、センセーショナルな「60〜80%削減」に隠れて、原子力発電に関してとんでもない記述がされています。
以下稚拙ながら、当会の抗議声明を転載します。
---------------------------------------------
【声明】 「次世代原子力発電」「途上国で導入」明記した『福田ビジョン』を、洞爺湖サミットで公言させてはならない 2008年6月10日
●6月9日、福田首相が日本記者クラブで会見を行い、洞爺湖サミットにおいて議長国を努める日本の地球温暖化対策として、「『低炭素社会・日本』をめざして」(「福田ビジョン」)を発表しました。
これに関しては、2050年までにCO2排出を「現状から60〜80%の削減する」という目標を掲げたことが、「前向き・積極的な姿勢」「数値だけが一人歩き」等々肯定的・否定的評価が入り混ざってマスメディアで大々的に伝えられております。
私たちとしては、CO2排出削減に関して、高い目標を掲げること自体は評価します。ですが、問題なのはその具体的政策です。日本は京都議定書の6%削減すら達成不可能な状況にあるのだからなおさらです。
そして、その具体的政策の中身で、今回の「福田ビジョン」では原子力発電に関してかつてなく突っ込んだ表明がなされています。
以下に示しますが、私たちはこれに強く抗議し、この様な「福田ビジョン」が洞爺湖サミットで国際公約として宣言されることのないよう、撤回・修正を求めます。
●「福田ビジョン」では「具体的政策」の中で原子力発電に関し、大きく言って以下2点の記述があります。(引用は、首相官邸HPより)
------以下引用-------------------------------
そこで、私は、革新技術の取組を一層加速するために、洞爺湖サミットにおきまして、国際機関とも連携した「環境エネルギー国際協力パートナーシップ」これを私の構想として提案したいと思っております。
これは、30年先、40年先をにらんだ革新的な太陽電池やCCS技術、次世代原子力発電技術などの技術開発ロードマップを世界で共有し、各国が自分の得意分野を分担しながら国際社会が協調して技術開発を進めていくというものであります。
------中略-----------------------------------
原子力に関しては、CO2排出ゼロという特性そしてエネルギー価格の高騰傾向を反映して、先進国のみならず途上国でも積極的に原発を導入する動きがあります。引き続き安全安心を大前提に原子力政策を推進していくとともに、こうした国際的な動きに対して、日本の優れた安全技術を提供し、核不拡散に対する厳格な姿勢を伝えていくことは、我が国に期待されている重要な役割だと考えています。
------引用ここまで---------------------------
●以下、私たちの見解
もちろん大前提として、大量の放射性廃棄物を次世代に残す原子力発電は、持続的で再生産可能なものとはとうてい云えません。ましてや事故のリスクや被曝労働の実態を直視すれば、なおさらです。
地球的規模での温暖化対策の必要性が叫ばれるのは、持続的で再生産可能な人類社会を目指すがゆえのことです。原子力の利用は、この主旨・前提から大きく逸脱するものです。
さらには、原子力が「CO2排出ゼロ」というのもまやかしです。大量の温排水による「海暖め効果」を評価すれば、地球上最大のCO2吸収源である海洋にダメージを与えることによる排出量は莫大なものになります(詳しくは、当会HP参照)。
そうしたことをふまえた上で、今回の提言で最も特徴的、かつ許せないのは、「次世代原子力発電」の技術開発を進めていく、ということが明言されたことです。
これは現在政府が押し進める「核燃料サイクル開発」を、地球温暖化対策としても位置づけるということでしょう。六ヶ所村の再処理工場の本格稼働、高速増殖炉「もんじゅ」の年内再稼働、そして先頃着工された「フルMOX原子炉」大間原発の建設に、政府が力を入れていることからもそれは容易に推察できます。
「途上国に日本の技術を供与していく」、といった文脈とあわせて考えれば、すでに国際受注競争の激しい「従来型軽水炉」分野からシフトして、高速増殖炉やMOX、フルMOX原子炉といった特殊原子炉の開発を進め、新規立地・炉建設の難しい国内に代わって「途上国」に新たな市場を求め売り込んでいく、という国−原子力産業界一体となった戦略があることも見えてきます。加えて、「核不拡散」を錦の御旗に、「再処理」と「再処理燃料の供給」を国際的に独占して、莫大な利権を得ていこうということも考えているのではないかと危惧します。
●こうした観点から、私たちは「福田ビジョン」に対し以下の点を求めます。
1、次世代原子力発電の技術開発に関する記述を削除・撤回すること
2、途上国への原子力技術供与に関する記述を削除・撤回すること
3、原子力によらない自然エネルギー開発や省エネルギー社会の実現に、積極的に取 り組むことを明記すること
STOP!劣化ウラン弾キャンペーン (文責・久保田誠)
http://stop-du.jp/
久保田 誠 makoto@matsu.kaze.com
7日から北海道洞爺湖サミットが開催される。
9日福田首相はそれに先立ち「日本記者クラブ」において、日本からの地球温暖化対策の主要テーマのアピールを行っています。『低炭素社会・日本』をめざして」というもので、通称「福田ビジョン」といわれるものだ。
日本の温暖化対策、戦略を世界、、国内向けにアピールしている訳だが、成る程と感心しながら読み進められる内容になっている。しかし、少し振り返れば、そこには行くも地獄の展開が予想されるものが高々と主張、提案されているのが見て取れる。ビジョンには二つの懸案事項が市民権を我がものに主張している。
それは(排出量取引)と(既存先進技術の普及:再生可能エネルギー)の推進だ。
京都議定書から特に日本が実行できないで消滅率を倍増させている原因がこの排出量取引である。温暖化対策の基本理念から推し計り、排出量ビジネスに手をつけてはならないことは自明の鉄則である。その場凌ぎの拙速な排出量取引は新自由主義の終焉を地でいくようなものだ。
日本は銭金で済ませる外交政策でその後大きなしっぺ返しを強いられた記憶はついつい最近のことではないか。
次は聞こえがよい(既存先進技術の普及:再生可能エネルギー)、「次世代原子力発電技術などの技術開発ロードマップを世界で共有」するという温暖化対策戦略だ、これは既に米国と共同の米国内における原子力発電所計画が契約済みになっていることの現実論をお披露目するかたちでPRされる。米国は、度重なる原子力事故で新設工事を凍結してきて原子力発電技術が著しく遅れをとった。そこで米国は、日本の実践技術納入というかたちで、日本の原子力輸出解禁に許可を与えた。但し、世界への輸出は、米国との二人三脚でなければ輸出できない縛りを課している。
既に中国への原子力発電所建設の受注が本決まりになるという。米国の中国友好政策は温暖化対策戦略に名を借りた原子力産業の中国進出にある。
いくも地獄とは、この原子力政策一つとっても歴然とした、日本は政治、経済、文化(既に完全汚染されている)は米国なしでは立ち行かない状況が完結したことになる。
福田内閣総理大臣スピーチ
「低炭素社会・日本」をめざして(日本記者クラブにて)
気候ネットワーク:福田ビジョンへのコメント(2008/06/09)
特集:北海道洞爺湖サミット 7日開幕(その1)
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【転送・転載歓迎】
洞爺湖サミットに向け発表された「福田ビジョン」、センセーショナルな「60〜80%削減」に隠れて、原子力発電に関してとんでもない記述がされています。
以下稚拙ながら、当会の抗議声明を転載します。
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【声明】 「次世代原子力発電」「途上国で導入」明記した『福田ビジョン』を、洞爺湖サミットで公言させてはならない 2008年6月10日
●6月9日、福田首相が日本記者クラブで会見を行い、洞爺湖サミットにおいて議長国を努める日本の地球温暖化対策として、「『低炭素社会・日本』をめざして」(「福田ビジョン」)を発表しました。
これに関しては、2050年までにCO2排出を「現状から60〜80%の削減する」という目標を掲げたことが、「前向き・積極的な姿勢」「数値だけが一人歩き」等々肯定的・否定的評価が入り混ざってマスメディアで大々的に伝えられております。
私たちとしては、CO2排出削減に関して、高い目標を掲げること自体は評価します。ですが、問題なのはその具体的政策です。日本は京都議定書の6%削減すら達成不可能な状況にあるのだからなおさらです。
そして、その具体的政策の中身で、今回の「福田ビジョン」では原子力発電に関してかつてなく突っ込んだ表明がなされています。
以下に示しますが、私たちはこれに強く抗議し、この様な「福田ビジョン」が洞爺湖サミットで国際公約として宣言されることのないよう、撤回・修正を求めます。
●「福田ビジョン」では「具体的政策」の中で原子力発電に関し、大きく言って以下2点の記述があります。(引用は、首相官邸HPより)
------以下引用-------------------------------
そこで、私は、革新技術の取組を一層加速するために、洞爺湖サミットにおきまして、国際機関とも連携した「環境エネルギー国際協力パートナーシップ」これを私の構想として提案したいと思っております。
これは、30年先、40年先をにらんだ革新的な太陽電池やCCS技術、次世代原子力発電技術などの技術開発ロードマップを世界で共有し、各国が自分の得意分野を分担しながら国際社会が協調して技術開発を進めていくというものであります。
------中略-----------------------------------
原子力に関しては、CO2排出ゼロという特性そしてエネルギー価格の高騰傾向を反映して、先進国のみならず途上国でも積極的に原発を導入する動きがあります。引き続き安全安心を大前提に原子力政策を推進していくとともに、こうした国際的な動きに対して、日本の優れた安全技術を提供し、核不拡散に対する厳格な姿勢を伝えていくことは、我が国に期待されている重要な役割だと考えています。
------引用ここまで---------------------------
●以下、私たちの見解
もちろん大前提として、大量の放射性廃棄物を次世代に残す原子力発電は、持続的で再生産可能なものとはとうてい云えません。ましてや事故のリスクや被曝労働の実態を直視すれば、なおさらです。
地球的規模での温暖化対策の必要性が叫ばれるのは、持続的で再生産可能な人類社会を目指すがゆえのことです。原子力の利用は、この主旨・前提から大きく逸脱するものです。
さらには、原子力が「CO2排出ゼロ」というのもまやかしです。大量の温排水による「海暖め効果」を評価すれば、地球上最大のCO2吸収源である海洋にダメージを与えることによる排出量は莫大なものになります(詳しくは、当会HP参照)。
そうしたことをふまえた上で、今回の提言で最も特徴的、かつ許せないのは、「次世代原子力発電」の技術開発を進めていく、ということが明言されたことです。
これは現在政府が押し進める「核燃料サイクル開発」を、地球温暖化対策としても位置づけるということでしょう。六ヶ所村の再処理工場の本格稼働、高速増殖炉「もんじゅ」の年内再稼働、そして先頃着工された「フルMOX原子炉」大間原発の建設に、政府が力を入れていることからもそれは容易に推察できます。
「途上国に日本の技術を供与していく」、といった文脈とあわせて考えれば、すでに国際受注競争の激しい「従来型軽水炉」分野からシフトして、高速増殖炉やMOX、フルMOX原子炉といった特殊原子炉の開発を進め、新規立地・炉建設の難しい国内に代わって「途上国」に新たな市場を求め売り込んでいく、という国−原子力産業界一体となった戦略があることも見えてきます。加えて、「核不拡散」を錦の御旗に、「再処理」と「再処理燃料の供給」を国際的に独占して、莫大な利権を得ていこうということも考えているのではないかと危惧します。
●こうした観点から、私たちは「福田ビジョン」に対し以下の点を求めます。
1、次世代原子力発電の技術開発に関する記述を削除・撤回すること
2、途上国への原子力技術供与に関する記述を削除・撤回すること
3、原子力によらない自然エネルギー開発や省エネルギー社会の実現に、積極的に取 り組むことを明記すること
STOP!劣化ウラン弾キャンペーン (文責・久保田誠)
http://stop-du.jp/
久保田 誠 makoto@matsu.kaze.com