時評
| 流動 2001 正論
2008年10月31日
総選挙 おにがわらう
月間総合情報誌「FACTA」11月号にタイトル「入退院繰り返す小沢代表の病状」の論考、小沢代表と総選挙の展開を占なったものが掲載されている。
30日早朝、麻生太郎首相が夕刻に記者会見で、年内の衆院選見送りを正式に発表するというニュースが伝わってきた。つまり展開はまたもや長期戦になる見通しだ。しかし、前々から予定は、総選挙は来年1月、2月ごろという、本人があれだけ楽しみながら首相役を演じているのだから、当面の解散はないとみるのが妥当なところだ。また、不景気のうえに世界同時金融恐慌で、国民は小沢首相周辺とは裏腹に、既に勝手にしてくれという雰囲気になってきている。
今回の論考は、総選挙が長引くだけ小沢氏の体調異変が心配される懸念を論じているわけだが、私たちがテレビ等で見ているより、本人の病状が深刻なものであることが内容から読み取れる。小沢氏は1991年6月に「狭心症」の発作を起こしてから、入退院を繰り返し、徹底した食事療養と安静日常生活を強いられているという。例えば、『現在も公務での朝食、昼食会は断り、昼食後は銀座日航ホテルなどで昼寝している。このため昼食時間と重なる午後1時開会の衆院本会議などを小沢氏は度々欠席。』(「FACTA」11月号)とある。また、今月23日、インドのシン首相と会談予定だったが、体調不良を理由に欠席、鳩山幹事長が代行している。
つまり、「FACTA」論考では、日本医大病院関係者の説明から、小沢氏側近の発表である病名「狭心症」ではなく、より重症の「心筋梗塞」ではないかと推測している。小沢氏本人は、重病説を否定しているが、『「ただ、知らずに放置しておくと、発作がやってきて、心臓が止まったらいっぺんに駄目だから用心しなければ」と、自ら心臓病という病の恐ろしさに言及した。』(「FACTA」11月号)と記されている。
そこで、捕らぬ狸の皮算用ではないが、民主党政権実現にでもなったら、すぐさま小沢代表の健康問題が問題ではなくなり、現実的障害となって現れてくるだろう。既に自民党から健康問題を揶揄されることがここにきて多くなってきているという。つまり、首相として本会議に出席できない状況(昼寝をしています)とか、体調の関係で外遊は出来ないといった首相の基本的専権業務が問題となれば全て窮すということになる。この件を受けて、小沢氏側近は、「本人は死んでも政権交代を実現して首相になる」といっているらしい。
そこで、「FACTA」11月号は結論として、『もし首相になったら小沢氏は昼寝をして国会を欠席するつもりなのか。外遊に耐えられるのか。また小沢氏は政治資金で不動産を買い漁った「疑惑の不動産」報道をめぐる裁判で「週刊現代」に一、二審とも完敗しており、もし首相になれば、自民党はこの問題を蒸し返すに決まっている。重い心臓病とスキャンダルを抱える小沢氏が、首相の座を本気で狙っているのか、はなはだ疑問である。』(「FACTA」11月号)と結んでいる。
成程の結びだが、政治家であれば自らが政権交代の立役者として首相の座に一旦は納まりたいというのが人情であり、側近の発言にもあるように「首相になる」が本音のところだろう。
しかし、小沢氏は政界、永田町の何たるかを一番よく知る現役議員の一人でもある。つまり、首相になれば、「FACTA」指摘の「疑惑の不動産」問題について、徹底的に追求されることを既に覚悟している、その上での政権交代、首相の座と考えられる。
恐らく、親父、田中角栄元首相の同じ轍を踏むことだけは避けたいと考えている。現在の「WILL」編集長花田紀凱氏による企画、1974年「文芸春秋」の「田中角栄研究 その金脈と人脈―立花隆」の発売により、一気に退陣に追い込まれることになった、そのストーリーを目の当たりに見ていたのが小沢氏である。まさか同じ道を選ぶとは考え難い。しかし、首相への未練が今日の政権交代の源泉になっている。そこで、小沢氏、一世一代の政治家としての大仕事に打って出ることが推測される。「小沢首相演説中に倒れる」、これは国民に受ける、また最大の免罪符にもなる訳だ。後釜は既に鳩山由紀夫、菅直人、岡田克也各氏で決まっているだろう。
しかしながら、国民は、総選挙が長引くといつまでも民主党政権到来を念じている訳ではない。特に、今日の不景気のどん底は、国民を消費大衆社会の次元に移してしまい、そもそもの生活重視に関心が埋没しつつある。「政権交代が最大の景気対策だ」の話の長い説得では、腹が満たされない状況になっているのだ。従って、もはや総選挙は勝手にしてくれといったあっちの話に化けている観がする。
さらに、よしんば遠からず、予想どおり民主党野党連立政権が誕生したとして、やっとのことで政権交代の政治的民度何たるかを体験する風潮が芽生えたと喜んでも、日本の将来にとっては極めて残念な結果になるともいえる。というのも、その方向は二大政党制のシステム化の方向でしか実現しないことを極印することになり、自民党と民主党の短所、長所織り交ぜればどちらも似たり寄ったりだということに大衆は感じてしまう結果を招くからだ。
であれば、経験豊富が人材豊富の錯覚に落ち込んできた国民は、時間経過とともに一度民主党にやらせてみるかの今の情緒が、やっぱり自民党でいくしかないかという五十歩百歩の落胆票に移ることも十分考えられる。
だから、来年の総選挙など思うこと事態がバカバカしいことだということになる。諺に「らいねんのことをいえばおにがわらう」とある。
参考サイト
入退院繰り返す小沢代表の病状
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20081029-01-1101.html
30日早朝、麻生太郎首相が夕刻に記者会見で、年内の衆院選見送りを正式に発表するというニュースが伝わってきた。つまり展開はまたもや長期戦になる見通しだ。しかし、前々から予定は、総選挙は来年1月、2月ごろという、本人があれだけ楽しみながら首相役を演じているのだから、当面の解散はないとみるのが妥当なところだ。また、不景気のうえに世界同時金融恐慌で、国民は小沢首相周辺とは裏腹に、既に勝手にしてくれという雰囲気になってきている。
今回の論考は、総選挙が長引くだけ小沢氏の体調異変が心配される懸念を論じているわけだが、私たちがテレビ等で見ているより、本人の病状が深刻なものであることが内容から読み取れる。小沢氏は1991年6月に「狭心症」の発作を起こしてから、入退院を繰り返し、徹底した食事療養と安静日常生活を強いられているという。例えば、『現在も公務での朝食、昼食会は断り、昼食後は銀座日航ホテルなどで昼寝している。このため昼食時間と重なる午後1時開会の衆院本会議などを小沢氏は度々欠席。』(「FACTA」11月号)とある。また、今月23日、インドのシン首相と会談予定だったが、体調不良を理由に欠席、鳩山幹事長が代行している。
つまり、「FACTA」論考では、日本医大病院関係者の説明から、小沢氏側近の発表である病名「狭心症」ではなく、より重症の「心筋梗塞」ではないかと推測している。小沢氏本人は、重病説を否定しているが、『「ただ、知らずに放置しておくと、発作がやってきて、心臓が止まったらいっぺんに駄目だから用心しなければ」と、自ら心臓病という病の恐ろしさに言及した。』(「FACTA」11月号)と記されている。
そこで、捕らぬ狸の皮算用ではないが、民主党政権実現にでもなったら、すぐさま小沢代表の健康問題が問題ではなくなり、現実的障害となって現れてくるだろう。既に自民党から健康問題を揶揄されることがここにきて多くなってきているという。つまり、首相として本会議に出席できない状況(昼寝をしています)とか、体調の関係で外遊は出来ないといった首相の基本的専権業務が問題となれば全て窮すということになる。この件を受けて、小沢氏側近は、「本人は死んでも政権交代を実現して首相になる」といっているらしい。
そこで、「FACTA」11月号は結論として、『もし首相になったら小沢氏は昼寝をして国会を欠席するつもりなのか。外遊に耐えられるのか。また小沢氏は政治資金で不動産を買い漁った「疑惑の不動産」報道をめぐる裁判で「週刊現代」に一、二審とも完敗しており、もし首相になれば、自民党はこの問題を蒸し返すに決まっている。重い心臓病とスキャンダルを抱える小沢氏が、首相の座を本気で狙っているのか、はなはだ疑問である。』(「FACTA」11月号)と結んでいる。
成程の結びだが、政治家であれば自らが政権交代の立役者として首相の座に一旦は納まりたいというのが人情であり、側近の発言にもあるように「首相になる」が本音のところだろう。
しかし、小沢氏は政界、永田町の何たるかを一番よく知る現役議員の一人でもある。つまり、首相になれば、「FACTA」指摘の「疑惑の不動産」問題について、徹底的に追求されることを既に覚悟している、その上での政権交代、首相の座と考えられる。
恐らく、親父、田中角栄元首相の同じ轍を踏むことだけは避けたいと考えている。現在の「WILL」編集長花田紀凱氏による企画、1974年「文芸春秋」の「田中角栄研究 その金脈と人脈―立花隆」の発売により、一気に退陣に追い込まれることになった、そのストーリーを目の当たりに見ていたのが小沢氏である。まさか同じ道を選ぶとは考え難い。しかし、首相への未練が今日の政権交代の源泉になっている。そこで、小沢氏、一世一代の政治家としての大仕事に打って出ることが推測される。「小沢首相演説中に倒れる」、これは国民に受ける、また最大の免罪符にもなる訳だ。後釜は既に鳩山由紀夫、菅直人、岡田克也各氏で決まっているだろう。
しかしながら、国民は、総選挙が長引くといつまでも民主党政権到来を念じている訳ではない。特に、今日の不景気のどん底は、国民を消費大衆社会の次元に移してしまい、そもそもの生活重視に関心が埋没しつつある。「政権交代が最大の景気対策だ」の話の長い説得では、腹が満たされない状況になっているのだ。従って、もはや総選挙は勝手にしてくれといったあっちの話に化けている観がする。
さらに、よしんば遠からず、予想どおり民主党野党連立政権が誕生したとして、やっとのことで政権交代の政治的民度何たるかを体験する風潮が芽生えたと喜んでも、日本の将来にとっては極めて残念な結果になるともいえる。というのも、その方向は二大政党制のシステム化の方向でしか実現しないことを極印することになり、自民党と民主党の短所、長所織り交ぜればどちらも似たり寄ったりだということに大衆は感じてしまう結果を招くからだ。
であれば、経験豊富が人材豊富の錯覚に落ち込んできた国民は、時間経過とともに一度民主党にやらせてみるかの今の情緒が、やっぱり自民党でいくしかないかという五十歩百歩の落胆票に移ることも十分考えられる。
だから、来年の総選挙など思うこと事態がバカバカしいことだということになる。諺に「らいねんのことをいえばおにがわらう」とある。
参考サイト
入退院繰り返す小沢代表の病状
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20081029-01-1101.html