代表就任そうそう、「菅代表で分裂か」と物騒なタイトルを掲げて、縁起でもないと民主党関係者からお叱りを受けそうだが。しかし、熱狂的な民主党、そして小沢支持者からは、早くもこの手の脅迫染みた論票が飛んでいるのだ。

例えば、相変わらずの小沢熱狂的支持者でもある、山崎行太郎氏は、政治ブログで「民主党は菅代表で分裂か。小沢グループは離党し、保保連立へ向かうのか。」とのタイトルで、既にその方向性で動いていると論じている。そして、小沢外しの菅内閣であれば『鳩山政権以上に多難で、不安定なものになるだろう』と恫喝的論調を展開しているのである。

そもそもの発端は、鳩山首相辞任発表の後、菅副総理が小沢幹事長への面会、面談を申し込んだが拒否、そして、反小沢勢力からの「小沢外し」の条件付賛同取りつけが実現するに至り、決断した3日の会見が、菅副総理の方針決定となり、小沢氏と完全に距離をおく政権づくりに舵を切ったと考えられる。所謂、『小沢幹事長には、しばらく静かにしていただいた方が、民主党にも、日本の政治のためにもよい』との会見発言である。さらに、その前に鳩山首相からの『幹事長も職を引いていただきたい』という無理心中を強行されている訳だから、尚更強烈な民主党からの「小沢外し」が露骨に映ったことは、察して余りある。長年の政界活動である種これほど虚仮にされたことはないかも知れない。

従って、山崎行太郎氏は「小沢抜きの菅政権」に対して、巧く行く筈がないと警鐘しているのだ。つまり、小沢を甘くみるな、舐めるなよ、タイトルにある「小沢グループは離党」ということになると駄目押ししているのだ。

また、植草一秀氏の『知られざる真実』日本政治刷新第二幕に元祖刷新派菅直人氏登場)では、さらに、ヒートアップした踏み込んだ発言になっている。
『菅直人氏が民主党新代表に就任することになる際には、政権交代実現の最大の功労者である小沢一郎氏とその同志に適切に対応することが不可欠である。小沢氏が了解するなら、小沢氏を副総理として閣内で処遇することを検討するべきである。
 菅直人氏が小沢氏陣営と敵対して代表に就任するなら、民主党は確実に分裂に進むことになるだろう。日本政治が混乱の極に戻る可能性があり、賢明な選択ではない。』

以前から、植草氏はこと民主党、小沢氏になるとどうも神懸かり的発言になる傾向がある。菅氏の3日の発言、ならびに本日の代表選演説を聞く限り、完全な「小沢外し」の政権構想(内定・仙谷官房長官)を練っているとしか考えられない。とてもとても、雰囲気的にもしばらく小沢氏の出る幕はない。結果論ではあるが、291票の団結は、近年稀に見る民主党の結束を物語っている。というのも、今回の雰囲気は、党の原点に戻って、結党当初の民主党再建への思いが感じられたからだ。

というのも、7月選挙の勝敗の結果、9月の代表選挙において、小沢グループの巻き返しによる民主党分裂説を面白、可笑しく論じる論者は、政治というものを真摯に考えていない証拠だと考えられる。参議院選挙の結果如何を問わず、代表選挙は菅氏続投に決まっているからだ。それは何故かと言えば、2年前の自民党と全く同じパターンを再現したならば、もはやその時点で民主党の未来、展望は立ち切れてしまうからだ。いくらなんでもそれはやらないだろう。小沢氏が政界再編に臨み、党を割って政界返り咲きを狙ったとしたら、それこそ小沢氏の自殺行為になり、不名誉を背負い立ちさらねばならないようになるだろう。

小沢氏は近年稀に見る風格ある政治家である。今後の活動は、己の政治生命を見極め去り際を計算しながら、戦後政治の鬼才として政界を去るシナリオに執着するだろう、またその道しかないというのが、真っ当な判断であり、また、そうでなければならない。